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拓斗が壁に体当たりをする少し前、母さんと妹の真由は拓斗の部屋の隣のリビングで海外ドラマを見ていた。
「このドラマの主人公はかっこいいわね」
「そう? 私はこの人の方がいいと思うわ」
「ふぅん」
数分たった後、
ボスッ
キャワン……
「「!?」」
「今……後ろの部屋から犬の鳴き声が聞こえなかった?」
「お兄ちゃんが隠して飼ってるのかな?」
「ちょうど犬を飼いたいと思ってた所だからちょうどいいわね」
「そうだね」
拓斗の家では犬を飼おうとペットショップに何回か行った事があるが、何にするか迷って結局保留にいつもなっていたからだ。
「見てみましょ?」
「うん! お兄ちゃんの部屋に行こう!」
兄の部屋の中にはまだ二歳に満たないくらいの大きさのミニチュアダックスフンドがいた。
拓斗「……」
犬(拓斗)は困惑の眼差しで、
「………わぅ?(母さんと真由!?…)」
「「かわいい!!」」
と言い、俺をモフってきた
(そういえば今は犬なんだっけ……どうしよ…………)
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