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「おい死ねよクッソ!!!」
期待とは裏腹に郵便物は母からのものだった。
「おいおい。めちゃくちゃ期待したじゃねーかよー」
「でも母さんのおかげで飯食ってけんだよなー。死ねは言い過ぎたわごめん母さん」
1人で文句を言いながら、ダンボールに張り巡らされたテープを力ずくで剥がす。
「これガムテープがっちがちだな。嫌がらせかっての」
ガムテープを剥がしながらまた愚痴をこぼす。
「つってもダンボールの中に初音ミクが入ってる訳ないか」
「まず、どうやって来るんだ? 初音ミクは?」
ダンボールをなんとか開封し終えた。
そんな間もやはり頭は初音ミクのことでいっぱいだった。
「今月はこれでしのげるかなー」
母から送られる食料は、1人暮らしの俺にとってかなり生活の支えになっていた。
ダンボールを開くと様々な野菜や煎餅のような、田舎臭い見慣れた物がたくさん詰められていた。
俺は心の中で母に何度も感謝した。
「つか、タイミング神がかってんなー。完全に狙ったよなぁー」
ピンポーン
「はいはーい」
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