エピローグ

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美しく生きると書いて『美生(みう)』 美月の分も生きて欲しいと、志織さんが付けたんだと三善は言った。 美月が逝ってから、3ヶ月程が過ぎていた。 相変わらずの残業で、タバコを吸いに屋上に出たところに三善から連絡が入った。 3日前に子供が生まれた事を知らせる三善の声は、落ち着きながらも嬉しい気持ちを隠し切れない様子で、彼が立ち直っている事が伺われた。 「…いい名前だ。 無事に生まれて良かったな。 おめでとう。」 「ありがとう。」 「ただ…」 「ん?」 「美月の美に、…生夢の生とも言わないか?」 一瞬の間の後、三善は笑った。 「…フッ、やっぱりそこ突っ込むか。」 俺の突っ込みに動じない様子から、三善にとって想定内だったようだ。 「否定しないんだ。」 「まあね。」 その開き直りとも言える三善の言葉に、思わず俺も可笑しくなり、笑ってしまった。 空を見上げると、綺麗な満月が浮かんでいる。 俺は笑いながら、心の中で美月に話しかける。 …美月、 三善は大丈夫だよ。 じゃあと言った三善に俺は、思わず言っていた。 「月が綺麗だな。」
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