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登録していない番号からの着信に、誰だろうと思いながら携帯に出た。
「…もしもし
「もしもし!!その携帯の持ち主ですけど、今何処ですか?!」
いきなり、かなり焦った感の若い男の声。
しかも意味不明だし。
「…誰?」
「…だから、携帯の持ち主ですけど、携帯を返して貰いたいんで、今いる場所を教えてくれませんか?」
「…」
「もしもーし!聞こえてますかあー?!もしもしー!」
あまりのうるささに切ろうかと思ったけど、また掛かってきそうだから我慢した。
失くした携帯に掛けたら間違った番号に掛けちゃったってところだよね、きっと。
「もしもーし?聞こえてるんでしょ?携帯返してくださいよ!返して貰わないと困るんです。もしもしー!聞いてますかー?」
頭の中で今の状況を整理してる間も、キャンキャン犬の様に泣く勘違い野郎に、段々苛々してきた。
そして、間違い電話を指摘しようと口を開いた瞬間、そいつは言った。
「携帯、返せ!泥棒!!」
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