1367人が本棚に入れています
本棚に追加
「いっぺん死ね!バーカ!」
はい、電話切りました。
普段、どちらかと言えば温厚な私ですが、さすがに切れます。
…今日は、ついてないな。
ううん、ついてないのは今日だけじゃないか…
携帯をテーブルに置きかけると、バイブと一緒に再び、着信音が鳴った。
ディスプレイの表示には、さっきと同じ番号。
無視してテーブルに置いた。
キッチンに行き、コーヒーを入れる。
…16、…17、…18
電話は20回のコールの後、ようやく切れた。
コーヒーカップを片手にソファに座り、TVのリモコンに手を伸ばしかけた時、また携帯が鳴り出した。
…5、…6、…7
大きな溜息をついて、私は電話に出た。
「…はい。」
これ以上無いって位低い声を出す。
「…あ、…もしもし。…何度もすみません。」
さっきとは違う声と雰囲気に、私の声のトーンが少しだけ上がった。
「…あ、はい。」
最初のコメントを投稿しよう!