出会い

3/7
前へ
/241ページ
次へ
「いっぺん死ね!バーカ!」 はい、電話切りました。 普段、どちらかと言えば温厚な私ですが、さすがに切れます。 …今日は、ついてないな。 ううん、ついてないのは今日だけじゃないか… 携帯をテーブルに置きかけると、バイブと一緒に再び、着信音が鳴った。 ディスプレイの表示には、さっきと同じ番号。 無視してテーブルに置いた。 キッチンに行き、コーヒーを入れる。 …16、…17、…18 電話は20回のコールの後、ようやく切れた。 コーヒーカップを片手にソファに座り、TVのリモコンに手を伸ばしかけた時、また携帯が鳴り出した。 …5、…6、…7 大きな溜息をついて、私は電話に出た。 「…はい。」 これ以上無いって位低い声を出す。 「…あ、…もしもし。…何度もすみません。」 さっきとは違う声と雰囲気に、私の声のトーンが少しだけ上がった。 「…あ、はい。」
/241ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1367人が本棚に入れています
本棚に追加