天使の翼

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俺の耳に確かに聞こえた鈍い音。 涼から離れた的場亮輔の手が… 真っ赤な血で染まっていた…。 「てめぇ…殺すぞ!」 唸るような低い声で言った涼に怯えた的場亮輔が、腰を抜かしてその場から後ずさりしたかと思うと、そのまま立ち上がって一気に逃げ出して行った。 「…涼さん…?」 ゆっくりと俺の目の前で崩れ落ちて行く涼の背中…。 涼の白いスーツが赤く染まって行く…。 倒れた涼の胸を… タガーナイフが貫いていた…。   
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