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「倉橋さん…
このネックレス…
瑞希さんにですかね…?」
門倉さんがサイドボードの引き出しの中から、ネックレスの入った白い箱を俺に渡した。
『to mizuki You are my life.from ryo 』
金のプレートに刻印された文字を見て、一気に涙が溢れて来る。
まだ…瑞希は生きてるのに…
何で涼さんが…先に逝くんだよ…
「これ…瑞希に渡してやってもいいですか?」
門倉さんは悲しそうに笑って頷いた。
結局俺は、門倉さんが選んでくれた、涼さんがつけていた腕時計を形見分けしてもらった。
「どうか…涼の事、忘れないでやって下さい。
アイツ…倉橋さんの事、大切な弟なんだって言ってました。
アイツが心を許したのは、倉橋さんと瑞希さんだけでしたから…」
悔しそうに拳を握りしめて言う門倉さんに俺も頷いた。
「門倉さん、ありがとうございました。
じゃ俺…仕事なんでもう行きます」
「お忙しい所、申し訳ありませんでした」
涙をゴシゴシと拭いて、俺は涼の部屋をあとにした。
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