温もり

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久々に二人で過ごす部屋の中。 「桔平気をつけてよ、指切らないでね…」 心配そうに俺の包丁さばきを見つめる瑞希。 「うるせー集中力切れるから黙ってろ」 ピーマンを千切りにするのが、かなりヤバかった。 「桔平は私がいないとちゃんと生きていけないわね」 瑞希がクスクス笑って言った。 「うん、俺、絶対餓死しそう」 「涼も料理が全然出来ないのよ。 桔平と涼ってヘンなトコが似てるわね。 そうだ!せっかくだから涼も呼んであげようか!」 …俺の包丁を持つ手がピタリと止まった…。 「ねぇ桔平、涼も呼んであげようよ?」 俺は黙って包丁を置いた。  
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