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俺の震える肩をそっと抱いてくれる瑞希。
「桔平…
1ヶ月も私に黙ってたなんて…
ホント辛かったでしょ?
ゴメンね桔平…
でも、私は大丈夫だから」
そう優しく言ってくれる瑞希にますます俺は胸が痛かった。
「瑞希…涼さんは…
ずっとお前を愛してたんだぞ」
「…え?」
「俺だけに話してくれたんだよ。
瑞希は涼さんの人生そのものだって。
…だから…
瑞希の最期だけは…
ずっと涼さんは返せよって俺に言い続けてた…」
瑞希は俺の言葉を聞いて泣きながらもクスっと笑った。
「涼ってホントにバカね…
私は桔平といたいのに…
ホント勝手な男…」
俺は涙を拭いて瑞希を抱きしめた。
「涼さんの分まで…俺がずっと最期までお前と一緒にいるから」
ピクンと揺れた瑞希の唇に俺はゆっくりと自分の唇を重ねた…。
瑞希から伝わってくる温もりを、絶対に忘れないようにかみしめながら…。
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