温もり

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食事を終わって、後片付けをしてからソファーで俺は瑞希に膝枕をしながら寛いだ。 「今日だけは、いっぱい甘えさせてやるよ。 普段はこういう事絶対しねぇけどな」 俺の言葉にクスクス笑いながらも 「誰かに膝枕してもらうなんて初めて。 こんな気持ちいいものなのね」 と、ご機嫌だ。 俺の膝の上からじっと俺を見つめて微笑む瑞希に、なんだか照れくさくて言った。 「何?あまりジロジロ見るなよ。 照れるだろ」 再び瑞希がクスっと笑って 「桔平はあの頃から全然変わってなかったのね」 と、やけに懐かしそうに話し出した。 「あ?あの頃っていつの事だよ?」 俺の質問に瑞希はゆっくり起き上がって、俺を優しい目でじっと見つめた。 「14年前よ…まだ桔平が5歳だった頃…」 「え?」 不思議に思って俺は瑞希をじっと見た。   
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