海の見える場所

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部屋へ戻った俺は、また瑞希の遺影の前で座り込んで、返事の返って来ない会話を始める。 「瑞希、今日は涼さんの納骨に行って来たよ。 お前もあともう少ししたらあの場所に連れてってやるからな。 だけど…もう少し俺のそばにいてくれよ。 …俺… 瑞希の愛情いっぱい貰い過ぎたからさ… また誰かを愛して幸せになれなんて… そんなん無理に決まってんだろ? …それでも… 俺はまだこれからも生きてかなくちゃいけねぇんだよな…?」 せっかくもらった瑞希と涼さんの命の欠片…。 今の俺には抱えきれなくて… この先どう生きていいのか解らずに戸惑い、だた泣くしか出来なかった…。 その時、部屋の呼び鈴が鳴る。 「おーい、桔平、いるんだろ?」 「桔平ー!」 優斗と美優の声だった。 「…あぁ…ちょっと待って今開けるから」 ドアを開けると、優斗と美優がニコニコ笑って、スーパーの袋を下げて立っていた。  
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