3231人が本棚に入れています
本棚に追加
/147ページ
「またきちんと帰って来るのよメシア?」
クスっと微笑みながら俺は瑞希の部屋から解放されて、5日ぶりに家に帰った。
「桔平お前どこ行ってたの?!」
「うるせーなババア」
鬼のような形相で睨むお袋の金切声があまりにしつこくて、結局俺は着替えをバックに詰めて再び家を出た。
とりあえず、セフレの美優に電話する。
「俺、今から行くわ」
「桔平どこ行ってたの?
学校も来ないしみんな心配してたんだよ?」
「あー…まぁ行ったら説明するよ」
美優の部屋は離れにあって、親の目もうるさくないからいつでも気楽に転がり込める。
なんだかんだ言っても美優は俺にベタ惚れで、俺の心がないのを解ってても俺に抱かれてくれる。
やりたくなったら美優。
そんな関係がもう2年。
ドアの前に立ってる絆創膏だらけの俺の顔見て、美優は真っ青になった。
「何があったの?」
「あー…武蔵の奴らに5人でいきなり凹られた」
「えぇっ?何で?」
「こないだヤッた女の男なんだって」
「…………」
少し寂しそうな顔してから美優はふっと笑って言った。
「だから他の女とヤるくらいなら私とヤればいいって言ってるのに…」
「…ゴメン」
最初のコメントを投稿しよう!