目には目を

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「またきちんと帰って来るのよメシア?」 クスっと微笑みながら俺は瑞希の部屋から解放されて、5日ぶりに家に帰った。 「桔平お前どこ行ってたの?!」 「うるせーなババア」 鬼のような形相で睨むお袋の金切声があまりにしつこくて、結局俺は着替えをバックに詰めて再び家を出た。 とりあえず、セフレの美優に電話する。 「俺、今から行くわ」 「桔平どこ行ってたの? 学校も来ないしみんな心配してたんだよ?」 「あー…まぁ行ったら説明するよ」 美優の部屋は離れにあって、親の目もうるさくないからいつでも気楽に転がり込める。 なんだかんだ言っても美優は俺にベタ惚れで、俺の心がないのを解ってても俺に抱かれてくれる。 やりたくなったら美優。 そんな関係がもう2年。 ドアの前に立ってる絆創膏だらけの俺の顔見て、美優は真っ青になった。 「何があったの?」 「あー…武蔵の奴らに5人でいきなり凹られた」 「えぇっ?何で?」 「こないだヤッた女の男なんだって」 「…………」 少し寂しそうな顔してから美優はふっと笑って言った。 「だから他の女とヤるくらいなら私とヤればいいって言ってるのに…」 「…ゴメン」  
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