動き始める心

4/7

3231人が本棚に入れています
本棚に追加
/147ページ
「涼さんは…瑞希サンをどう思ってるんですか…?」 俺の質問に涼はまたクスっと笑った。 「瑞希はな…俺がガキの頃からずっと守って来た女だよ」 「え?」 「同じ保護施設で育ったんだ」 「…………」 「お互い親に虐待されてな… 俺と瑞希はいつも同じ目してたよ。 感情なんてなくて誰も愛せなくて… そのクセ本当はどこかで愛情求めててな。 瑞希にはお前も同じに見えたんだろ。 だからアイツがお前拾って来た時、俺は解ったよ。 瑞希は自分のわずかに残ってる愛情ってやつを、お前にくれてやるって思ったんだろうってな」 「…涼さんは…それでいいんですか?」 俺の質問に涼はじっと俺を見つめた。  
/147ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3231人が本棚に入れています
本棚に追加