3231人が本棚に入れています
本棚に追加
/147ページ
「俺は瑞希を守ってやれても、普通の幸せってやつを与えてやれねぇ。
俺もそれが何なのか知らねぇからな。
俺が瑞希を抱くのは、アイツが俺の片割れだからだ。
お前には悪いが、俺もアイツも失くすわけには行かない片割れなんだよ。
ま、ガキのお前にゃまだ解らねぇだろうけどな」
冷酷な涼の目が、やけに優しく見えるのは…
この人は…瑞希の天使の翼のもう片方なのかもしれない…。
なぜか俺はそう感じた…。
「…俺…瑞希サンに普通の幸せ教えてやります。
俺は…それを知ってる気がします」
「…そうか…
まぁやれるだけやってみな」
いつの間にか運ばれて来てたコーヒーを俺は一気に飲み干した。
「瑞希サンとこ行って来ます」
「おぅ」
俺は涼に頭を下げて、喫茶店を後にした。
最初のコメントを投稿しよう!