動き始める心

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「俺は瑞希を守ってやれても、普通の幸せってやつを与えてやれねぇ。 俺もそれが何なのか知らねぇからな。 俺が瑞希を抱くのは、アイツが俺の片割れだからだ。 お前には悪いが、俺もアイツも失くすわけには行かない片割れなんだよ。 ま、ガキのお前にゃまだ解らねぇだろうけどな」 冷酷な涼の目が、やけに優しく見えるのは… この人は…瑞希の天使の翼のもう片方なのかもしれない…。 なぜか俺はそう感じた…。 「…俺…瑞希サンに普通の幸せ教えてやります。 俺は…それを知ってる気がします」 「…そうか… まぁやれるだけやってみな」 いつの間にか運ばれて来てたコーヒーを俺は一気に飲み干した。 「瑞希サンとこ行って来ます」 「おぅ」 俺は涼に頭を下げて、喫茶店を後にした。
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