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「また明日から月曜日まではお散歩行っておいで」
命の欠片を集めれば集めるほど瑞希の言葉に俺は返事が出来なくなっていた…。
「…なぁ瑞希…涼さん…来るの?」
俺の投げかけた質問に瑞希はふっと寂しそうに笑う。
「…そうよ…
桔平だってもう二度と見たくないでしょ?」
「どうしても…涼さんに抱かれなきゃダメ?
俺だけじゃ足りねぇの…?」
瑞希はクスっと笑って言った。
「涼は…私の片割れだから…
離れたら…生きて行けないのよ」
涼が俺に言った言葉と同じ言葉を言う瑞希に俺は少し嫉妬した…。
「だったら涼さんに命の欠片あげたらいいじゃねぇか」
瑞希は悲しそうな目をして俺を見つめている…。
「涼は…私の命の欠片なんて欲しくないのよ。
あげたところですぐに捨てるわ。
あの人はそういう男よ。
でも桔平は…私の命の欠片、大切に拾ってくれるでしょ?」
俺はなんだか府に落ちなくて瑞希に聞いた。
「なぁ…瑞希…俺と涼さんの事…どっちが好き?」
俺の質問に瑞希は笑って言った。
「桔平に決まってるでしょ」
微笑んで言う瑞希に俺の心は逆に大きく揺れ出した…。
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