3231人が本棚に入れています
本棚に追加
/147ページ
結局週末俺は瑞希の部屋を出て家に帰った。
…美優の家には、なんだか行きにくかった。
「全くこの不良放浪息子!」
そう言いつつも、久々に帰った俺にハンバーグを作ってくれる母親。
「…なぁお袋、普通の幸せって何だろな?」
真面目な顔して聞く俺に母親はケラケラ笑い出した。
「お前、なんか変なモンでも外で食って来たの?」
「…もういいよクソババァ」
ふてくされる俺を見て母親が散々笑ってから言った。
「普通の幸せってのはね、
嬉しい時は一緒に笑ってくれて
怒った時はなだめてくれて
悲しい時は支えてもらって…
喜怒哀楽を一緒に感じてくれる人に出会える事だって思うよ」
…喜怒哀楽…
「アンタだってそういう友達いるだろ?
優斗くんも美優ちゃんも。
それってすごい幸せな事なんじゃないの?」
「…そうかもな」
「ほら、サッサと食いなさいよ。
片付かないからね」
俺はお袋の作る、やけに形の悪いハンバーグを口に放り込んだ。
最初のコメントを投稿しよう!