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「野良猫さん?」
雪と一緒に落ちて来た声に俺はゆっくり目を開けた。
「大丈夫?」
雪のように真っ白なドレスに身を包んだ天使が微笑みながらしゃがみ込んで俺を覗き込んでいる。
「…放っといてくれ」
俺はゆっくり立ち上がろうとした。
「っつ…」
体中に強烈な痛みが突き抜け再び地面に座り込む。
「ふっ…時には人に甘えなさい野良猫さん」
その人は細い肩で俺を支えて立ち上がらせる。
「…っ…痛っ…」
白い雪が舞い散る夜、薄汚い路地で野良猫は天使に拾われた…。
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