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「あの仕事は…
心を持ってたら出来ない仕事よ。
涼だって…あの仕事始める前はもっと心のある人だったわ」
コットンで化粧水を叩きながら言う瑞希の背中をじっと見つめた。
「でも…桔平の人生だから…
この先はあなたが決める事よ。
私は残りの命の欠片を桔平に全部あげるって気持ちに変化はないから」
クルリと振り向いて笑う瑞希の笑顔が痛かった。
「心配すんなよ。言ったろ?
俺は瑞希を幸せにするって」
涼の思いも痛いくらい解ってたけど…
俺はやっぱり瑞希の残りの時間を最高に幸せにしてやりたい。
クスっと笑う瑞希の笑顔を見つめながら、俺は気づいていた。
…瑞希は…
涼さんを愛してること…。
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