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涼の口利きで俺は一応卒業前に就職が決まった。
「まぁ、どんな仕事だって一生懸命働く事に変わりはねぇ。
どうせなら立派な黒服になれよ」
他の教師は黒服に対してあまりいい顔しなかったけど、体育教師の下田だけはそう言ってくれた。
「桔平が黒服やるなら、私もその店で働く!!」
って聞かない美優を止めるのは大変だったけど…。
「黒服に飽きたら俺んち来いよ」
土建屋の息子の優斗は家業を継ぐ決意がついたらしい。
荒れ放題のレベルの低い高校だったけど、俺なりに楽しんだ3年間が終わって無事卒業を迎えた。
卒業式の翌日から早速出勤になるのはさすがキャバクラって感じだったけど、俺は一日も早く瑞希が働くのを辞めさせてやりたかった。
例え瑞希が涼を愛していても…
俺は瑞希を最期に涼に返すまで、何よりも大切にしたかった…。
瑞希は…俺が初めて愛した人だったから。
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