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「…んっ…あっ…やっ…」
「…お前は…俺の…ものだから…なっ…」
違和感を感じる吐息の混じった声に、薄っすら目を開けると、俺の横たわったベットの横に敷かれた布団の上で、絡み合うふたつのカラダが月明かりに照らされながら激しく揺れている…。
…え?
俺は思わずそのふたつのカラダを凝視した。
切れ長の冷酷な目をした男が天使のようなその人を俺の目の前で突き上げている…。
「…よう、野良猫さん…この女は…俺のモンだからっ…手ぇ…出すなよっ…」
その人を突き上げながら言った男が体勢を変えて俺に背中を向けた。
背中一面に描かれた昇り龍のするどい眼光が俺を睨みつける。
「はっ…あぁっ…涼っ…やめてっ…」
「瑞希っ…俺は…お前を…離さないからな…」
俺は体の痛みで起き上がれないまま、そのふたつのカラダが登り詰めて行く姿をただ見つめていた…。
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