卒業

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そして初めての出勤の日。 店の裏口から事務所に入ると、店長の前田が待っていた。 「お、倉橋、今日から頼むな」 「よろしくお願いします」 「もう少ししたら、小田ってやつが来るから、そいつに付いて仕事覚えてくれ」 「はい解りました」 俺がロッカーで小田を待っていると、10分くらいして小田が出勤して来た。 「倉橋桔平です。 小田さん、よろしくお願いします」 俺が立ち上がって挨拶すると、小田はニコっと笑って 「店長から聞いてるよ。 よろしくな!」 と爽やかに挨拶してくれた。 「まずは店内と外の清掃からだ。 俺は中やるから、倉橋はとりあえずこれで外を掃除して来てくれ」 「はい」 掃除用具を持たされ、俺は外の掃除に向かった。 まだ明るい中で店の前を掃除してる他店の黒服の姿があちこちに見える。 黒服の仕事は、キャストの女の子が出勤するよりも3時間も早く出勤する。 掃除から始まって、キャストの出勤管理まで開店前でも仕事が山ほどある。 当然覚える事もたくさんあって大変だった。  
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