3231人が本棚に入れています
本棚に追加
/147ページ
黒服になって2週間も過ぎると
ようやく俺も仕事の流れに慣れて来た。
「桔平、体大丈夫?」
心配してくれる瑞希だったけど、俺は一日でも瑞希を休ませてあげたくて、自分はほとんど休みを取らずに働いた。
「無理しないでね。
私、お金持ちになりたい訳じゃないから」
そう言って笑ってくれる瑞希が愛しくて、疲れ切ったカラダでも、俺は何度も瑞希を抱いて命の欠片を集めた。
瑞希のこの体温があるうちに…
自分でも何でここまで瑞希の為にって思うのか解らない。
きっと瑞希は今も涼を愛しているのに…
だけど、それくらいしないと、涼に勝てない気がして…
瑞希に涼よりも自分を愛して欲しくて焦ってたんだと思う。
そんな毎日を送っているうちに、俺はだんだんと取れなくなる疲れを精神的にも感じ始めていた…。
最初のコメントを投稿しよう!