黒服

4/4

3231人が本棚に入れています
本棚に追加
/147ページ
黒服になって2週間も過ぎると ようやく俺も仕事の流れに慣れて来た。 「桔平、体大丈夫?」 心配してくれる瑞希だったけど、俺は一日でも瑞希を休ませてあげたくて、自分はほとんど休みを取らずに働いた。 「無理しないでね。 私、お金持ちになりたい訳じゃないから」 そう言って笑ってくれる瑞希が愛しくて、疲れ切ったカラダでも、俺は何度も瑞希を抱いて命の欠片を集めた。 瑞希のこの体温があるうちに… 自分でも何でここまで瑞希の為にって思うのか解らない。 きっと瑞希は今も涼を愛しているのに… だけど、それくらいしないと、涼に勝てない気がして… 瑞希に涼よりも自分を愛して欲しくて焦ってたんだと思う。 そんな毎日を送っているうちに、俺はだんだんと取れなくなる疲れを精神的にも感じ始めていた…。
/147ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3231人が本棚に入れています
本棚に追加