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「…ああ、抱いたよ」
「…何でっ?桔平は私を愛してるんじゃなかったの?」
俺の言葉に関を切ったように俺を責めて来る瑞希の瞳についに俺の思いが破裂した…。
「だって瑞希は涼さんのこと愛してるんだろっ?
俺じゃなくて!
なのに何で俺に命の欠片なんだよ!
俺だってもう解んねぇよ!!」
…言ってしまった瞬間に俺の心が完全に壊れた気がした。
涙をポロポロと零して立ち尽くす瑞希をただじっと見つめる事しか出来なかった。
「…桔平は…
何も解ってない!!」
寝室へと駆け込んで行く瑞希に俺は何も言葉をかけてやれず、黙ってソファーに腰かけた。
…もう…
瑞希を幸せになんてしてやれない…
俺は自分の情けなさに、ただ拳を握りしめて形の崩れたミネラルウォーターのペットボトルを見つめていた…。
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