始まり

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「大学卒業おめでとう!」 「ありがとうっ」 「4年間、長かったねー」 「あっという間だよ」 「これで由紀も社会人の 仲間入りだね!」 「あ、うん、そうだね…」 私は小林由紀 大学を卒業したばかりだ 国公立の大学で 文学部を卒業した私は 周りの皆が就職活動に 励む4年の4月に もう就職先が決まっていた そこは大きくもなく 小さくもない、一般的な 広告関連の会社だった 文学部、というか 文系の学生がこれほどまで 早くに就職先が決まったと 色々な学部の生徒が聞き付け 質問責めにあったこともある 私の場合は、書類審査だけだった 現在の厳しい就職難の話を 嫌というほど 聞かされてきたので 肩透かしをくらったような 感覚に陥った それから一年が過ぎ、 今日のこの日を迎えた
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