PM 12:00 昼休み

4/10
189人が本棚に入れています
本棚に追加
/194ページ
「あっちゃー、やられたわ」 「お、お弁当残ってるかなぁ?」 今、この男の頭の中は、きっとそれしか無い事だろう。列の先にあるコンビニの奥の方にある弁当コーナーがここからは見える筈も無いのだが、一生懸命背伸びして見ようと試みているようだ。 いつになく真剣な面持ちだ。 しかし、さっき素早く並んだ事は幸いした。 後から後から、自分達の後ろにはどんどん列が伸びて行く。 前にはかなりの人が並んではいるが、後ろを見るとまだマシな方に思えてくる。それに、思ったより列の進むスピードも速い。 そんな事を考えていると、お弁当を手に入れたお客さんの中に、知っている顔が混じっている事に気が付いた。 同じ課の女子4人だ。その内、1人は新人の女の子。 そして、もう一人は… 俺は思わず声を掛ける。 「あ!上原さーん」 こちらに気付いた上原さんは、明るく手を振ってくれ、4人共こちらに近寄って来た。 そして後2人、招かざる人物も混じっている。この2人も一緒だったのか。しかし、一緒にこっちへ来ることも無いだろうに。
/194ページ

最初のコメントを投稿しよう!