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きょとんと目を丸めるりいこをよそに私は続ける
「やるからには全力でやるわよ。
追試は月曜日なんでしょ?
今からなら間に合うと思うから、きっちりかっちり勉強するのよ。」
だめんずウォーカーを思い出したのは、きっと気のせいだ。
「ゆいりぃ…」
りいこがおずおずと口を開いた。
「何よ?さっさと始めましょ…」
「なぁんだもぉー!!
コーチつけてくれるなら始めに言ってよー!!
もうどつかれたり怒られたり核心突かれたりって、前置き長いよー!!」
ころころと笑いだすりいこには、ウソとはいえ、さっきの涙目も必死な熱意ももとより無かったかのような切り替えだった。
しかし素でこんな調子だから恐ろしい
呆れも、通り越しちゃったその先は、また怒りかと悟った瞬間だった
「はぴっ!?」
「このおバカ!!もう怒った!!
地獄の果てまで勉強するわよ!!」
「ゆいりぃなんかカオスだよぉお!?」
「だまらっしゃい!!いいからやる!!」
コルクボード殴打、本日3回目
そろそろマグネットボードにしようかと検討する、
私、宮ゆいりの春のある日であった。
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