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授業中の学園の廊下は静かだ。
各教室を横切れば元気な声。
因みにここは中等部の校舎内である。
「中坊は若いねぇ」
百年二百年…正確な年月はわからないが、この世にこれだけ生き続けると何となく老けた気がするのは何故だろうか。
見た目は若いのに、見た目だけはまだ二十代…ギリギリ十代でもいけるかもしれない。
うん、見た目だけは永遠の二十代だ、見た目だけは……。
「…何だかおじさん切なくなってきたねぇ…」
自分で"見た目だけ"といってる間に気分が落ちてきたNAGATOは窓辺に寄りかかり小さくため息を吐きポツリと呟く。
自分をおじさんと呼んでる時点でもうすでに末期かもしれないな、と落ち込んで入れば
「……ゃああああああぁん!!」
「あ?」
声のした方を振り向けば猛スピードで廊下を走っていく女の子…もとい、ティアロビン。
「あれは一年の…おーい、廊下は走るn
「キィイヒヒヒヒィ!!ティィイアァアちゃぁあん、待ぁああってヨォオオォ!!」
注意しようと声をかけようとすれば後ろから奇妙な笑い声とともに再び猛スピードで走っていく男の子…もとい、ライクロウ。
「………、…平和だなぁ」
これも最早日常風景として流せるようになったって事は、俺もこの学園に馴染んでしまったんだな…と2人の後ろ姿を見てしみじみしてしまうNAGATOであった。
嗚呼、慣れって怖い。
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