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キーンコーン… 「今日の授業はこれで終わりだ、片付けが一番雑だった班は有無言わさず俺様の新薬の実験台な」 薬学教師、緋比の授業…というより雑用を終え皆で器具を丁寧かつ必死に洗う。 A-10はなぜみんながそこまで必死になるかわかってはいなかった。 「え、A-10君…どうしてそんなに平気な顔してるの…?」 「え?うーん…体には害ないし、味覚を遮断しちゃえば平気だよ?」 純粋な機械人のA-10には緋比のおかしな薬は効かない。 皆どこか恨めしそうな目をA-10に向けるのであった…。 「NAGATO今何してるかなぁ」 授業後、すれ違う生徒や先生に挨拶をしながらのNAGATO探しはA-10の日課である。 NAGATOは今日授業がないとはいえ部活の用事があるらしい。 まだ学校内にいるだろう。 だとしたらコンピュータ室か部室か…。 「電波使えばすぐ見つかるけど、うーん…」 A-10の能力の一つである【電波操作】は特定の人の波動をすぐ発見できるが高確率で機械に影響を及ぼすためむやみに使えない。 仕方ない、と休み時間の賑やかな廊下を進むA-10であった。
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