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「桜さん……」
あたしの笑顔を見て三宅先生は少々驚いている。
「三宅センセ。
あたし、三宅センセの彼女になる」
ロマンチックで子供みたいに純粋で、不思議なオーラを纏う三宅先生。
あたし、三宅先生の前では素直になりたい。
「ホントに?」
三宅先生は狐につままれたような顔をしている。
さっきまで拒んでいたあたしがオッケーしたんだもんね。
そりゃ、流石の三宅先生でも戸惑うよね。
「あたし……。
三宅センセの事もっと知りたくなっちゃいました」
あたしは三宅先生の事何も知らない。
三宅先生があたしを見てくれていたぶん、今度はあたしが沢山三宅先生を知る番だ。
「卒業するまでは色々自重しなきゃいけないけど、僕は全力で桜さんを愛するよ」
今でも充分目立ってるけど……まぁ、いっか。
「ふふふ……。
とろけそうな甘い台詞と春は三宅センセにぴったりですね」
三宅先生が言うと不思議と違和感ないのよね、これが。
「君の名前もね」
すかさず三宅先生は言う。
そしてあたしの手をギュッと握った。
三宅先生の大きくて温かくて少し汗ばんだ手は心地よくて思わずあたしもギュッと握り返す。
「ふふふ……」
やっぱり三宅先生は臭い台詞が好きなようだね。
まぁ、三宅先生らしいけど。
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