『春』部門

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「……『優等生』この言葉が貴女の胸に突き刺さる」 ズキン。 三宅先生の言葉は図星だった。 三宅先生の言葉があたしの胸に突き刺さる。 「知ったような口を……」 何よ、あたしの傷口をひろげたいのかしら? ぎゅっ…… いきなり三宅先生はあたしを抱き寄せた。 「離して下さい」 不意打ちを食らいあたしは慌てて三宅先生を引き離そうとする。 「離さない。 今君をここで離すと君は遠くに行く」 あたしが引き離せば引き離すほど、三宅先生は力を込めあたしを抱きしめる。 「三宅センセは何であたしに構うの? みんなあたしを避けるのに……」 三宅先生の胸の中で疑問符を投げる。 あたしは成績優秀の生徒会長。 運動神経も抜群でいつも注目の的だった。 だけど……。 みんなあたしを珍しい物でも見るかのように遠ざかる。 親しい友達は疎か、友達すらいるかいないかわからないくらいだ。 そんなあたしに興味を持つなんて、三宅先生何か悪いものでも食べたんじゃないかしら。 「僕も君と同じだった。 『優等生』と言われ親の期待に答え、友達から疎遠になっていた。 そんな僕を助けてくれたのはあの人だった」 あたしからゆっくり離れ三宅先生はふとグラウンドを見た。
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