『春』部門

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「あの人?」 あたしもつられ思わずグラウンドを見た。 いつの間にか日が傾き、クラブ活動を終えた生徒達は片付けを始めていた。 いつの間にこんなに時間が経ったんだろう。 三宅先生といると時間があっという間に過ぎる。 こんな感覚は初めて味わう。 不思議な気持ちだ。 「君と同じ『桜』という名前を持つ担任」 何だろ。 三宅先生から担任の先生の名前聞いた瞬間、何だかもやっとした気持ちになった。 「あたしは……。 あたしはその人じゃない!」 あれ? 何であたしはムキになっているんだろう。 さっきからあたし何か変。 三宅先生にヤキモチやいてる? ……まさかね。 三宅先生は若い先生だから生徒から人気あるし……。 まぁ、あたしも興味がないわけでわないけど……。
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