『春』部門

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「そうだったんですか……」 何故あたしに辛い過去を打ち明けてくれたの? あたし……。 三宅先生を信じていいかな。 「だから僕は桜先生の意志を継ぐ」 三宅先生の瞳は凜としている。 これが『教師の瞳』なのかな。 何だかかっこいいなぁ。 「あたしはそんなにいい子じゃない」 あたしみたいな子を『天の邪鬼』っていうんだろうね。 素直になるって難しいや。 「始めは昔の僕と君を被せて見ていた。 だけど、それが何時しか恋心に変わっていた。 僕は君が……。 野表 桜さんが好きだ」 今三宅先生の瞳はあたしを映している。 何だろう。 春のようにほんわか心地いいこの気持ちは……。 「……変わりは嫌。 あたしを一人の女としてみてほしい」 心地いい気持ちにつられあたしは本音を言う。 三宅先生の不思議なオーラであたしは素直になれた。 あれ……? 涙が出てきちゃった。 別に悲しくないのに、変だな。
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