1.恋のはじまり
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『んじゃ、俺はこれで。』 俺は帰ろうと、保健室の扉に手をかけようとしたとき、ふとその子を見てびっくりした。 もたもたして、消毒液が膝からポタポタこぼれ落ちている。 こいつ、不器用なんだな… ったく帰ろうとしたのに。 『お前、トロいなぁ。やってやるよ。』 俺は少し強引に消毒液を奪い、消毒をしてやった。 『…ありがとう……』 『お前がトロいからやってあげただけ。』 俺はそう冷たく言った。
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