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見渡す限り白色の空間。
私は今まで何をやっていたのかすらわからない。
何故ここにいるのかわからない。
わからない。
だけれど私はここにいる!いる!いる!
おかしいだろう?私を笑えよ。
減るもんじゃないんだからさぁ。
せいぜいあんたら傍観人は、そこでぽけっとつったってればいいんだよ。
私は進むから。
そうさ、歩いた。
なにもない空間を歩いて歩いて進んでいって、ようやく変化が現れた。
あやうくみすごしそうになるくらい、小さくて空間と変わらない白い猫。
こちらを見てにゃー。と一声。
そのまま走っていく。
待てよ。おいていくなよ、寂しいじゃないか。
走る子猫を追いかけて私も走った。
どこまで続くかわからないけれど。方向もわからないけれど。
このまま走り続けるのも悪くないかなって思った。
(こんなに走ったの、いつぶりだろ)
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