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私が追いかけるのをやめたとき、猫も止まった。
振り向いて、もういいのかい?とそいつは私に問いかけているようだった。
私はなんとなく悟った。
嗚呼、私、死んだんだな。
よくわからないけれど、そんな気がする。
何も覚えてないけど。そうか。これが死か。
この何もないところに永久に居続けるんだろうよ。
なんて馬鹿らしいんだ。
周りを見渡しても白以外何も見えない。気も病むような一面の白に私は首を捻った。
そうか、今ここにいるのは、私とお前だけかい、子猫よ。
返事をするように猫がにゃーと返事をすると、私はそいつを思いっきり踏んづけて殺した。
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