プロローグ

2/4
前へ
/11ページ
次へ
高校に入学して二度目の春、 私は生徒会室にいた。 「美結ちゃ~ん」 「何ですか」 「疲れた俺を癒して~」 「仕事してから言ってください」 新年度に向け、資料の整理をしている最中に飛び交う言葉は、主に会長の愚痴。 私が生徒会に入ってからの半年、会長から出てくる言葉はほとんど私宛となり、それが生徒会の名物と化していた。 「相沢さんも毎日大変ね…」 「いえ、もう慣れました。会長が無駄口をたたくのはもう仕方ないことなんですよ」 「おーい。二人とも俺の扱い酷いんだけど」 「和樹が仕事をしないで相沢さんに構ってばかりだからでしょ?」 「悠里先輩と同意見です」 「美結ちゃんが冷たい…。俺凍死するわ」 そう言って生徒会室の端に置かれたソファーに寝転ぶ会長。 その様子に私が呆れるのも日常となりつつあった。
/11ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加