プロローグ

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今思えば、この日を境に私の日常が変化していったのかもしれない。 会長との出会いで既に、平凡な生活とは違うものになったと思っていたのに、それは序章でしかなかったと思い知らされるんだ。 任期はあと半年。 会長と築き上げた私の日常が、その時を待たずに次々と変化していく未来を知っていたら、私はどうしただろう。 こんな調子で半年が過ぎると考えていたのに、現実はそんな穏やかに流れることなく、私を激流にのみ込む。 ――ああ…でも… きっと知っていたとしても、私は結局どうすることも出来なかっただろう。 会長のことをもっと知ることで、その考えに確信が持てる。 だが、それに気付くのはもう少し先の話になる。 私はその時、自身のありきたりな生活が変わるのを恐れるだけの子どもだったのだから…。
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