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私は改めて辺りを見回した。 すると、ベンチに座る老婦人が目に留まった。 「お隣、よろしいですか?」 私は聞こえないとはわかっていたが、いつもの癖で老婦人に声をかけた。 そして座ろうとしたが、私の体がベンチに触れることはなく、地面に派手に尻餅をついた。 「あんた……死んだばかりかねぇ。」 それを見て突然、老婦人が私に声をかけてきて驚いた。 「わ……私が見えるんですか?」 私は老婦人の方に顔を向けた。 「あたしゃ50年前に死んだからね。いい加減生きてる者と死んでる者の区別ぐらい付くよ。」 老婦人は私の方を見て、呆れたような表情を浮かべた。 私は新人幽霊、彼女は先輩幽霊と言うわけか。 「あんた、若いのにこんなところに来るなんて……死んでからも勉強を続けようとは勤勉だねぇ……」 だが、先輩は何か勘違いしているようだった。 彼女なら何か知っているかもしれない。 私は今までのことを話し、何とか彼に伝える方法はないか、と相談してみた。 彼女は少し考えたようだが、当たり前すぎることを言った 「あんた、自分で伝えればいいんじゃないのかい?」
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