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「写真を赤く染め、手を写すとは……あんた、幽霊の素質があるよ。」 老婆もとい、初代学長は笑いながら私の肩に触れた。 「この世の人に意思を伝えること……できますか?」 私が訊くと、初代学長は私の顔をのぞき込み、 「あんたの努力次第だ。」 と言った。 何としても彼に意思を伝え、勘違いを解く。 私の名をかたってタカシにメールを続けている誰かも絶対に許さない。 たとえそれが、家族の誰かであったとしても……。
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