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本当に大丈夫だろうか。
不安と苛立ちが入り交じり、私は複雑な感情になった。
だが、タカシが私以外の誰かを私だと信じ込んでいる。
それを思うと、頑張るしかない。という気持ちになった。
「あら?変ねぇ。片付けたはずなのに……」
司書が本を片付ける様子を見て、私は確かに現世に影響を与えている、という自信が持てた。
「タカシ……待ってて……。」
私は図書室の奥で、司書に見つからないように、ゆっくりと本を動かす練習を再開した。
手を本に向け、少しずつ伸ばした。すると、手に硬い感触が伝わる。
このときに余計なことを考えると、手が本をすり抜けてしまう。
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