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死んだ恋人からメールが届く。
これが叶えば、どんなに素晴らしいだろう。
恋人を亡くした人の多くはそう思っているだろう。
事実僕もそう思った。
僕の恋人、アヤも26歳の若さで亡くなった。
涙が止まらず、現実逃避するようにアヤにメールを送ってしまった。
そのメールに返信が来たときには、心臓が飛び出るかと思った。
だがメールの文体を見ると、それはアヤのメールそのものだった。
死んだ恋人からメールが届いた。
人々の永遠の願いが叶ったのだった。
僕はすぐに返信した。
いたずらだったときに備えて、最初の一言は「誰だ?」
にしよう。
彼女はある仕掛けが好きで、それをよく使っていた。
もし返信してきた相手がアヤなら、きっと気付くはずだ。
僕はアヤにいつもするようなたわいもないような内容を綴り、返信した。
このときはまだ、あんな事になるなんて気付いていなかった。
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