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彼女とは、看護師の養成校で出会った。 僕は23歳。みんなより年上で入り、浮いていた僕に声をかけてきたのが、アヤだった。 「君はどこから来たの?」 これが彼女との出会い。 彼女の優しげな声と、きれいな笑顔に僕は一目惚れをした。 一目見たときから、もう彼女のことしか考えられなくなった。 数ヶ月後、声をかけてきたのは彼女の方だった。 付き合ってくれと彼女に言われたとき、僕はまるで夢を見ているようだった。 夢ではないかと疑い、さりげなく見えないところをつねってみたが、やはり痛かった。 現実だったのだ。こうして僕は、彼女と付き合うようになった。 そのときに初めて、彼女が僕より年上だと知ったのだった。 だが、年齢など関係ない。僕はもう彼女なしでは生きられなくなっていった。
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