――3――

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気がついたら、1日泣き明かしたらしい。 時計を見たら、3月3日、10時15分だった。 さすがに泣き疲れたらしく、目元は腫れ、声も枯れていた。 身近な人を亡くすことがこんなに辛い事だとは知らなかった。 あと少し早く駆けつけていれば姉さんはまだ生きていたのかもしれない。 まだ生きているのでは。 そんな考えで、すぐに駆けつけなかった俺は自分を責めた。 タカシは姉さんの死に目に会えたのだろうか…… 俺が自分を責めたあとに、頭に浮かんだのはこれだった。 姉さんの友達よりも、おじいちゃん、おばあちゃんよりも、遠くに住んでいる伯父さんよりも、父さんや母さんよりも、真っ先に気になったのはタカシのことだった。 そうだ。きいてみよう。 姉さん病院に運ばれてからずっと意識を失っていたから……大丈夫だろう。 俺はそれとなくきいてみた。すると、やはりすぐに返事が来た。 「僕は、アヤが死亡確認されるまでずっといたよ。 まあ、確認されたらすぐに病室から出ちゃったけど。」 どうりで、俺と会わなかったわけである。
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