588人が本棚に入れています
本棚に追加
ガシャン。
刃のかち合う音。
ドス。
鈍い刀が肉にぶつかる音。
天狗はいっさい動かない。
経吾は斬り合い、そのまま数歩走り抜け止まる。
二人はピタッと止まったまま、静寂に包まれた。
勝負は相打ちか。
政子もたまらず、ツバを飲み込んだ。
その時だった。
「痛えー、腹が」
経吾は腹を抑えて、たまらず刀を放り投げた。
痛いょー、マジでこんなとこで腹を斬られ死ぬのかよとのたうちまわり。
血だらけの腹を確かめた。
あれっ、血が出てないとビックリ。
最初のコメントを投稿しよう!