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おかしい、確実に腹に刀が当たった感触はあった。
何でだか考えていると。
天狗は刀をしまった。
「若造よ、安心しな、みね打ちだ」
天狗は笑みをみせた。
「いい試合を見せてもらった、なかなかの腕だぞ、経吾殿」
「ああ、そうだ、あんたの力を見せてもらいたかったんだ、だから始めから殺す気はない」
「本当に申し訳ない経吾殿、さぁ立ってくだされ」
手を差し出す政子。
手はひやっと冷たい。
だが今の経吾には、暖かく感じた。
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