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「ありがと経吾、あなたに源氏軍に協力して欲しいの、ダメかしら?」
幽艶な言葉で経吾を乱した。
胸元がチラリと見え隠れして高校生の経吾には刺激が強過ぎた。
「や、やるに決まってるじゃないか、俺に任せてくれよ、平家なんかみんな相手してやるから」
すでに経吾は我を失っていた。
それを横で見ていた武者男は、身震いする。
この北条政子という女は危な過ぎると。
「あーら、嬉しいわ、頼りになるわ」
嬉しがる政子であった。
なんてこった、もうやるしかないかと自分をせめた。
「じゃあ経吾殿、気をつけて帰ってね、私は霊界でいつでも待ってるから」
政子は手を握りながらお別れをした。
「あ、は、はい、また来ます」
まだ頭が、ぼーとしていた。
でも嫌な感じはしないのは不思議だった。
「では経吾殿、平家の霊武者を頼んだぞ、あと俺の名はまだだったな、木曽義仲だ」
「あいよ、任せろって、それじゃあな」
再び来たときと同じように、トランスのボタンを押した。
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