1話 霊界源平合戦

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「ありがと経吾、あなたに源氏軍に協力して欲しいの、ダメかしら?」 幽艶な言葉で経吾を乱した。 胸元がチラリと見え隠れして高校生の経吾には刺激が強過ぎた。 「や、やるに決まってるじゃないか、俺に任せてくれよ、平家なんかみんな相手してやるから」 すでに経吾は我を失っていた。 それを横で見ていた武者男は、身震いする。 この北条政子という女は危な過ぎると。 「あーら、嬉しいわ、頼りになるわ」 嬉しがる政子であった。 なんてこった、もうやるしかないかと自分をせめた。 「じゃあ経吾殿、気をつけて帰ってね、私は霊界でいつでも待ってるから」 政子は手を握りながらお別れをした。 「あ、は、はい、また来ます」 まだ頭が、ぼーとしていた。 でも嫌な感じはしないのは不思議だった。 「では経吾殿、平家の霊武者を頼んだぞ、あと俺の名はまだだったな、木曽義仲だ」 「あいよ、任せろって、それじゃあな」 再び来たときと同じように、トランスのボタンを押した。
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