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「あっ、なんかいるぞ、ゆ、幽霊だ」
ボヤッとだが後ろの方に、人の影が見える。
最初は気がつかなかったが、肩に手を置いてるようにも見えた。
「だろ、これは間違いなく幽霊、しかも背後霊だ」
別の男子がボソッと小さな声でささやいた。
「大変なことになったな」
「何が大変なんだよ」
別に俺たちには、関係ないだろと経吾は思った。
「このアイドルは我が高校の二年生、白田泉(しろたいずみ)だから大変だ」
緊張感からか、周りの生徒もゴクリとツバをのんだ。
白田泉はこの西が丘高校の生徒であり、最近になってアイドルとして売り出し中で、芸能と学校を両立させていた。
「白田泉なら俺も知ってるぜ、マジで可愛い」
経吾も何回か、校内で見かけてはいたがしかし会話をしたり、あいさつなどは無し。
ただ見ていただけ。
さすがに学年も違うし、話しかけるほどチャラ男ではない。
「めっちゃ可愛いよな~、僕の彼女になってくれないかなぁ」
真面目で黒ぶちメガネをかけた男子が、嬉しそうに言った。
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