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「お前も見たのか、この前、西海とかいう僧侶の話とさ、霊武者も見ちゃってるから、気味が悪いんだ」
経吾は静より、さらに小さな声で話した。
近くには、他の生徒がいたから。
「私だって幽霊が不良に乗り移ってあんたとバトルした話しなんか信じたくないわよ、心霊とか苦手だし」
自分で話していて怖くなる静だった。
「ヘェ~、お前にも怖いものがあんのか、それは初耳だ」
静をおちょくるように、しゃべった。
「何よ、私だってこう見えても女の子なんですからね」
さっきより、声を張り上げて言った。
静は明るくテンションがやや高めの女子だ。
「お前が女の子?どれどれ!」
経吾は確認するためとスカートを軽くめくった。
「ケイ!!あんたねぇ」
静が顔を真っ赤にして頭を引っ叩いた。
ふざけあいながら、廊下を歩いていると、窓を見る一人の女子がポツンと立っている。
なんだか寂しそうに、外の景色を見ているようだ。
経吾と静は近くに行き通りすぎようとした時、その子が経吾の方に顔を向けた。
その子と目が合う。
あっ、と口から驚きの声を発した。
続いて静も感ずいたのか、足を止める。
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