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経吾が行く理由。
それは足を運んでまで行くほどに、むかついていたから。
むかついた感情を抑えられないからだ。
その想いは、静と太一にも肌で伝わってきたのだ。
三人を乗せたバスは、何事もなく進んでいた。
しばらくしてバス停で下車する。
すぐ目の前に看板が目に映った。
藤ノ木出版社とデカデカと書かれてあった。
「着いたな」
「ええ、立派なビルだわ」
経吾は静、太一にうなずき、看板のあるビルに乗りこんでいく。
時刻はちょうど20時。
もう外は暗い。
だがビルには、蛍光灯がついており、まだ社員は働いているようだった。
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