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倫子はスーツの下に手を入れる。
ちょうど胸の位置だ。
白いワイシャツは上までボタンせずに肌が。
手を取り出すと、何かカードらしきもの。
「何ですか、それ」
「もっと近くで見てみたら」
経吾はソファから少し立ち前のめりになる。
しかしカードよりも、倫子の胸の谷間に視線がいっていた。
「あっ、が、学生証、俺のだ、どこにありましたか」
「どこにって、藤ノ木社長の死体の横に、あそこに居たってことね、昨日」
「い、居たよ、だけど俺は藤ノ木に文句を言ってそのまま帰った、本当だ」
「でもね、あのビルにいた社員は、あなたが怪しいって」
「殺しはやってない、本当だ」
自分が殺人犯という疑いを晴らそうとする。
「あなた達も入りなさい、そんな盗み聞きしてないで」
「失礼します」
倫子が入れというと、二人の生徒が入ってきた。
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